2005/09/03(土) リンバの地・ドドマ—ドドマ
リンバを弾くムサフィリ=バランガティ。ブギリ村にて。
8/31・9/1と2日間かけてバスを乗り継ぎ、タンザニア内陸の町・ドドマにやってきました。道中、4時間遅れてやってきたバスにやっとのりこむとオーバーブッキングのため、9時間近く混んだ車内で立ちっぱなしになったり、車の振動で舌を噛んだりと、あいかわらずタンザニア的です(料金の高いバス会社を選べばそんなことはない、はず)。
たいていの世界地図では事実上の首都・ダルエスサラームに赤丸がついていますが、国会も開かれているここ・ドドマが名目上はタンザニアの首都とされています。そしてこの町を中心とするドドマ地方には、すばらしい歌声とともにリンバやゼゼを奏でるゴゴ民族が住んでいます。
到着翌日9/2、師・フクウェ=ザウォセの出身地・ブギリ村に行き、大学の卒業論文を書く際にお世話になったムゼー=バランガティ(バランガティ=チコロンゴ氏。大型のリンバ、すなわちイリンバを初めて作った人物とザウォセ家では言われている)を訪ねました。ムぜーは不在でしたが、息子のムサフィリに会うことができ、おしゃべりをしているうちになんとなく演奏が始まりました。
ムゼーが作ったリンバのきらびやかな鳴りの良さ。バガモヨのチビテとは異なるシンプルなゴンゴーラの旋律。家事の手を休めてコーラスに参加してきた女性たちの豊かな歌声。風を受けてトウモロコシの葉がたてる静かな音。
庭から地平線が見渡せるような開放的な村に響きわたり、子どもたちを先頭に人が集まってきます。
ゴゴ民族にはこんなグループがたくさんあって、お祭りのときに演奏するほか観光客向けのショーを行ったりと、さかんに活動しています。ついつい、消えてなくなりそうなニャキュサ民族のリンバに思いをはせてしまう。
さてムサフィリの弟・パウロが擦弦楽器・ゼゼ=カンバ=ンビリ(2弦のゼゼ)を出してきました。
あれ、弦を擦るための弓が見あたらない。なんと、かたわらに置いてあった棒で演奏を始めました。
バオバブの幹の皮をはった弓よりも、乾いた音がする。きけば、よくしなるンスングスングという木の棒に松脂・ホレコを塗ってあるそうです。
明日からブギリ村に荷物を移し、ここを拠点に周辺の村を含めて見物してまわることに決めました。