2009/12/26(土) 今年を振り返る

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左が「トンガ族のカンコベラVol.1」、右がTeNの"high low"

今月に出たばかりのザンビアとジンバブエの親指ピアノ「カンコベラ」の現地録音盤「トンガ族のカンコベラVol.1」、すばらしいです。
蜘蛛の卵膜がビリビリと鳴っていて、まるで歪ませたギターのようです。
ここまでサワリ音をしっかり録った現地録音版は初めてではないでしょうか?
まさにコノノNo.1の衝撃が生んだディレクションでしょう。
光栄にも解説を書かせていただいたのでここではこれ以上書きませんが、いいですよー。
このスペースで書き忘れていましたが、A HUNDRED BIRDS(LTSSドラムのイドッチ参加の、人力ハウス、トランス集団) のフィーチャリング・ボーカリストでもあるTeNちゃんのアルバムも発売中です。
リンバ・トレイン・サウンド・システムが一曲参加しています。

CDついでですが、今年は思い入れのあるアルバムがいろいろリリースされました。
今は亡き師、フクウェ・ザウォセの生前の録音を集めた2008年盤「バガモヨ」。
2008年の暮れにここで紹介したアルバムです(http://sakakimango.com/ngoma/000456.html)。
ぼくが解説を書きました。
そして彼の遺族たちによる楽団チビテ。
2007年にロンドンで手に入れたザ・ザウォセ・ファミリー名義のアルバム(http://sakakimango.com/ngoma/000349.html)は「バオバブの木からの贈り物」の邦題で夏にリリース。
どちらもあちこち紹介してまわっていたものなので、日本での発売はとてもうれしいニュースでした。
「バオバブの木からの贈り物」にいたってはミュージック・マガジン誌のベスト・アルバム2009のワールド・ミュージック部門で1位に選ばれていましたよ!

大阪府箕面市のコミュニティーFMでワールド・ミュージックをテーマに選曲する1時間番組をかれこれ8年以上やっているのですが、今年最後の放送分として印象に残ったアルバムを10タイトル紹介してきました。
昨夜選曲していたら、自動的に「今年を振り返る」モードになってしまったのでした。

番組は「ワールド」に特化しているので、ここではその枠もとっぱらってよかったもの
書き残します。

・マリオ・カノンジュ / リゾーム・ツアー
 「ジャズ=オトナが聴くオシャレなBGM」という最近のおかしな風潮を吹っ飛ばす。かつて「不良」の聴く音楽だったはずのジャズが現代版として蘇っています。フランス海外県、カリブ海にあるマルティニークのピアニスト。
・スタッフ・ベンダ・ビリリ / 屈強のコンゴ魂〜車椅子のストリート・ロッカーズ 
  DVD、"Jupiter's Dance"を見てとても気になっていたキンシャサのグループ。来年来日します!
・SAM KARPIENIA / EXTATIC MALANCONI
  南フランスのグループ、デュパンの中心人物。オック語の歌が乗ったミクスチャー。
・フェルミン・ムグルサ / アズマティック・ライオン・サウンド・システマ
  スペインのバスク語でバスクの復権を訴えるレベル・ミュージック。
・カメル・エル・ハラシ / 偉大な詩人に祝福あれ ダフマンに捧ぐ
  アルジェリアのポップス、シャービ。ダフマン・エル・ハラシの息子。オッサンなボーカルがツボにはまりました。
・KAZZ / ギタレレ・トリップ
  日本のギタレレ奏者のソロ。反復フレーズの使い方などに共感します。
・アフェル・ボクム&アルキバル / タビタル・プラーク
  マリで農業もやっている兼業ギタリスト。
・ペルネット / アルボル
  コロンビアのデジタル・クンビア。来日したディック・エル・デマシアドもよかったですが。
・OOIOO / アルモニコ ヘーワ
  ライブもよかったー。「お上品」で「あらステキ」な音楽と対局にあります。
・ソウル・フラワー・ユニオン / エグザイル・オン・メイン・ビーチ
  ソウル・フラワーのライブ盤。3月に共演できて光栄でした。
・ズィーナ / アフリーケ 
  南イタリアのグループの環地中海ミクスチャー。
・サラ・タバレス / シンティ
  ポルトガルのシンガー・ソング・ライター。アレンジが素晴らしい!
・SYURA / BALAGHAH
  マレーシアの歌手。女王、シティ・ヌールハリザに迫る?
・モーズ・ファンファン / バイェケレイェ
  去年の発売ですが、今年に聴きました。イギリスに移住したコンゴ人ギタリストのまろやかリンガラ。

今年もたくさんのアルバムに出会い、ライブに出かけたのでした。

サカキマンゴーとしての活動上のニュースとしては、
・新生リンバ・トレイン・サウンド・システム始動!
・初の単行本「親指ピアノ道場!〜アフリカの小さな楽器でひまつぶし」の出版
・チウォニソ(ジンバブエ)と日本で再会し、共演したこと(スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド 富山)
・音楽を担当した映画「チョコラ!」の公開
・日比谷野音デビュー(ROVO MDTフェスティバル)

来週自宅で開く、リンバ・トレイン・サウンド・システム初の忘年会で全部忘れて、新しい年に備えます。
来年は2月にザンビアとウガンダで「親指ピアノを探す旅」をしてきます。
サカキマンゴー&リンバ・トレイン・サウンド・システムのアルバムも出しますよー!
みなさんもよいお年を!

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