2006/03/27(月) 電気リンバ誕生
リンバの音量増幅のためのピックアップ システムを先日入れ替えました。
今まで使っていたコンデンサータイプのピックアップは、リンバの箱の振動をうまいこと拾ってくれていたわりに小さく目立たないので重宝していましたが、演奏中に楽器を持ち替える度に付け直すため、微妙な取り付け位置のズレで音が変わる、またハウリングを起こしやすいという欠点がありました。
さらなる音質の向上をめざして今回導入したのは、最近目覚しく性能が上がってきたピエゾ素子を利用したもので、楽器一台一台にセンサーを固定し、エレキギターなどと同じジャックで接続することができます。
センサーを貼る位置を少しずつずらしながら、求める音が出るポイントを探していきました。
イリンバ(大型のリンバ)には二つのセンサーを使うことにしたので、その位置の組み合わせは無限にあります。
それだけ音の表情を変えられる、ということです。
位置を決定する指針として、以下を心がけました。
●リンバの生音をそのまま増幅するよりも、リンバの合奏のときに体で感じるような幻想的な感触を再現することを優先する。
●ピックアップを使わないと決して得られない、リンバの箱の中にいるかのような迫力のある低音と高音とのバランスの良さ。
●気持ちのいい自然な歪み。
写真のように非常に目立ちますが、逆に「電気リンバ」といった風情が出てとても良い。ギターアンプがよく似合います。
「できることなら生音をそのまま増幅したい」という今までのコンセプトとは少し違うので、なんだか新しい楽器が誕生したような気分です。
そして逆説的ではあるけれど、
もともと大勢の観客を前に演奏されるよりは、家族のような小さな集まりの中で、比較的近い距離で演奏される、という楽器の本質的な雰囲気は以前より増したはずです。