2010/05/12(水) バリの休日

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ついに見た憧れのケチャッ。

2月の「親指ピアノを探す旅」に3月のソロ・ツアーと仕事旅が続いたので、休暇をとってインドネシアのバリ島へ行ってきました。

芸能の町、ウブドで休暇の後半を過ごし、ガムランに合わせたレゴン・ダンスや、ケチャッを連日楽しんできました。
ウブド王宮で見た「パンチャ・アルタ」の公演では、数年前に東京のイベントでご一緒したデワさんのダンスを見ることができました。
女装して踊りながら楽器を演奏するクビャール・トロンポン、素晴らしい。
目線から指先までコントロールしたダンスをしながら、楽器もちゃんと演奏している。
見習いたいです。
ガムラン・アンサンブルの意図的なピッチのズレが大きなうねりを生んで、どんどん気持ちが高ぶっていきます。

そしてケチャ。
その驚異的な集団トランス・ボイス・パフォーマンスに小学生のときレコードで聴いて以来憧れをもっていたので生で観るのを楽しみにしていました。

ケチャッチャッチャッチャッチャッチャッチャッチャッチャッチャッチャ
トーントーントーントーントーントーントーントーントーントーントーン

50人ほどの男たちがパートごとにいろんな声を出していて、ゴゴ民族の歌唱チルミを思わせます。
声質の違いが倍音のからまりも生んで、グルグル回り出す。
ドイツ人画家のウォルター・シューピースがいまのケチャの形を作ったといいますが、もとはどんなのだったんだろう。

頻繁に(週1回ペースで)観光客向けに公演していると、共同体と結びついた伝統音楽の形から「観光客向け伝統音楽」に変化(進化も退化も両方あり)していくはずです。
盆踊りとステージにのった盆踊りのように、二つはよく似ているけれど明らかに違う。
ここらへんが最近の関心事の一つです。

ともあれいい休日でした。

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